※本記事はプロモーションを含みます
老犬が膵炎と診断されて、「これから何を食べさせればいいのか」と探していませんか。
膵炎のフード選びの基本は「低脂肪」ですが、老犬の場合はそれだけでは足りません。
食欲の低下、腎臓や心臓の併発疾患、消化力の衰え──シニアならではの事情が、フード選びを難しくします。
この記事では、現役獣医師のDr.サクが、老犬の膵炎フード選びで気をつけるべきポイントと、実際の診療でよく話題になる3商品(ロイヤルカナン・ヒルズ・和漢みらい)を比較して解説します。
成分の数値は、各社公式サイトの保証分析値・公表値にもとづいています。
この記事の著者・監修者:Dr.サク(臨床10年以上)
現役の獣医師、都内動物病院に勤務。腎臓病を中心に、食事療法で数多くの犬の健康寿命を延ばしてきた実績を持つ。専門的な医学的知見に基づき、愛犬に本当に必要なフードを厳選しています。
【比較表】老犬の膵炎で候補になる3商品
まず結論として、膵炎の犬のフードでよく候補になる3商品を一覧で比較します。
| 商品 | 脂質 | たんぱく質 | カロリー(100g) | 分類 | 入手方法 |
|---|---|---|---|---|---|
| ロイヤルカナン 消化器サポート 低脂肪 | 5.0%以上※1 | 20.0%以上 | 346kcal | 食事療法食 | 動物病院(獣医師の指導下) |
| ヒルズ i/d ローファット | 8.9%※2 | 26.1%※2 | 335kcal | 特別療法食 | 動物病院(獣医師の指導下) |
| 和漢みらいのドッグフード 膵臓用 | 7.1%以上※1 | 20.1% | 331kcal | 市販(療法食コンセプト) | 公式サイト等で購入可 |
※1 保証分析値(水分を含む現物ベース)。「以上」は最低保証値で、実際の含有量はこれより高い場合があります。※2 乾物量分析値(水分を除いたベース)。
大きな違いは入手方法です。
ロイヤルカナンとヒルズは療法食で、獣医師の診断・指導のもとで使うフードです。
和漢みらいは市販品で、処方なしで購入できます。
「どれが優れているか」ではなく、「うちの子の状態と段階に、どれが合うか」で選ぶのが正解です。
この使い分けは後半で詳しく解説します。
市販で購入できる低脂肪フードを探している方は、こちらをまず確認してください。
老犬の膵炎、フード選びで気をつけるべき5つのポイント
①低脂肪が基本──ただし「低すぎ」にも注意
膵炎は、脂肪の消化に関わる膵臓が炎症を起こす病気です。
脂肪の多い食事は膵臓の仕事を増やし、再発の引き金になりうるため、低脂肪が食事管理の基本になります。
ただし老犬では、低脂肪にこだわりすぎてカロリーが足りず、痩せてしまうケースがあります。
膵炎の老犬はただでさえ食が細くなりがちです。
「脂質を抑えつつ、必要なカロリーは確保できているか」を、体重の推移を見ながら主治医と確認していくことが大切です。
目安として、膵炎の管理では脂質を一般的なフードよりしっかり抑えたものを選びます。
今回比較する3商品は、いずれもこの「低脂肪」の考え方で設計されたフードです。
逆に、シニア用と書かれていても脂質が高めの製品もあるため、「シニア用=膵炎に良い」ではない点に注意してください。
②老犬は食欲が落ちやすい──食いつきも性能のうち
シニア期は嗅覚や味覚が衰え、若い頃より食の好みがうるさくなります。
膵炎の回復期はなおさら食欲が不安定です。
どんなに成分が優れたフードでも、食べてくれなければ意味がありません。
老犬の膵炎フードでは、「食いつき」は成分と同じくらい重要な性能です。
ぬるま湯でふやかして香りを立たせる、少し温める、ウェットタイプを併用するなど、食べさせ方の工夫もセットで考えましょう。
③併発疾患があると、フードの条件が二重になる
ここが老犬のフード選びで一番難しいところです。
シニア犬は膵炎だけでなく、腎臓病や心臓病を同時に抱えていることが少なくありません。
腎臓病があればリンの制限、心臓病があればナトリウムの配慮と、「低脂肪」以外の条件が重なってきます。
膵炎用のフードが、併発している病気には合わないこともあるのです。
たとえば膵炎用の低脂肪フードでも、リンが高めなら腎臓病の子には不向きですし、腎臓病用フードは脂質が膵炎向きとは限りません。
「膵炎にはAが良い」「腎臓にはBが良い」という単品の情報を集めても、併発した子の正解は出ないのです。
併発疾患のある子のフード選びは、必ず血液検査の数値を見ている主治医と相談して決めてください。
診察の際は「膵炎と腎臓、どちらの管理を優先しますか?」と聞いてみてください。
病状によって優先順位が変わるため、この質問ひとつでフード選びの軸が定まります。
膵炎と腎臓病の併発については、別の記事でも詳しく解説しています。
④療法食と市販フードの違いを知っておく
「病院で勧められたフードと、ネットで見かける低脂肪フード、何が違うの?」という質問をよく受けます。
療法食(ロイヤルカナンやヒルズなど)は、病気の食事管理を目的に設計され、獣医師の診断・指導のもとで使うフードです。
市販の低脂肪フードは処方なしで購入でき、日常の食事として続けやすいのが利点です。
どちらが上という話ではなく、病状の段階によって出番が違います。
使い分けの考え方は、この後の「療法食と市販フード、うちの子はどっち?」で解説します。
⑤切り替えは7〜10日かけて、いつも以上に慎重に
老犬は消化機能が衰えており、急なフード変更で下痢や食欲不振を起こしやすくなります。
膵炎の子ならなおさらです。
新しいフードに切り替えるときは、今のフードに1〜2割ずつ混ぜながら、7〜10日かけて少しずつ移行してください。
切り替え中に嘔吐や下痢、食欲の低下が見られたら、いったん中止して主治医に相談を。
ロイヤルカナン 消化器サポート 低脂肪──「病院で勧められた」定番の療法食
動物病院で膵炎と診断されたとき、最初に名前が挙がることが多いのがこのフードです。
公式の保証分析値で脂質5.0%以上(最低保証値)という低脂肪設計で、同社の通常の消化器サポートと比べ脂肪を大幅に抑えています。
低脂肪でもエネルギーを確保できるよう食物繊維のバランスが調整され、高消化性とプレバイオティクスによる腸内環境への配慮も特徴です。
向いているケース:急性膵炎の回復期など、獣医師の管理下でしっかり脂肪を制限したい段階。
注意点:食事療法食のため、獣医師の指導のもとで与えることが前提です。
自己判断で始めたりやめたりせず、必ず主治医の指示に従ってください。
動物病院専用品のため、一般の店頭には流通していません。
なお、療法食は「ずっと食べ続けるもの」とは限りません。
回復の経過によっては、主治医の判断で通常のフードや市販の低脂肪フードに移行していくこともあります。
「いつまで続けるのか」を診察のたびに確認しておくと、先の見通しが立てやすくなります。
ヒルズ i/d ローファット──消化ケアに特化したもう一つの定番
ロイヤルカナンと並んで処方されることが多い療法食です。
公式公表値(乾物量)で脂質8.9%の低脂肪設計。
独自の「アクティブバイオーム+テクノロジー」で腸内細菌叢に働きかける設計と、ショウガの配合、オメガ3脂肪酸の含有が特徴です。
「ロイヤルカナンとどう違うの?」とよく聞かれますが、どちらも低脂肪・高消化性という方向性は同じで、設計思想と原材料のアプローチが異なります。
実際、どちらが合うかは犬によって違い、片方で食いつきが悪くてももう片方なら食べる、ということも珍しくありません。
向いているケース:療法食で管理したいが、ロイヤルカナンの食いつきがいまひとつだった子の代替候補。
注意点:こちらも特別療法食であり、獣医師の指導のもとでの使用が前提です。
内容量は1kg・3kg・7.5kgの展開があり、まず小袋で食いつきを確かめてから大袋に移ると無駄がありません。
療法食の「食べてくれない問題」は珍しくないので、合わない場合は我慢して続けるより、主治医に相談して別の療法食を試すのが正解です。
和漢みらいのドッグフード 膵臓用──市販で買える低脂肪フード
「療法食からの切り替え先を探している」「処方なしで買える低脂肪フードがほしい」という方の選択肢になるのが、市販の低脂肪フードです。
和漢みらいのドッグフード膵臓用は、公式の保証分析値で脂質7.1%以上(最低保証値)の低脂肪・低糖質設計。
鹿肉・馬肉・魚をたんぱく源に、89種以上の和漢植物を配合した、和漢コンセプトのフードです。
向いているケース:慢性膵炎の長期管理期で、主治医から「低脂肪の市販フードでもよい」と言われている子。療法食の長期継続が費用面で難しい場合の相談材料にも。
価格は500gで3,900円+税(定期購入で3,550円+税)と、一般的なフードよりは高めの設定です。
ただ療法食も決して安くはないため、長期管理のコストとしては比較検討の範囲に収まります。
注意点:療法食ではないため、急性期や数値が安定しない時期の管理は主治医の指示する療法食が優先です。
切り替えを考えるときは、自己判断ではなく「市販の低脂肪フードに替えてもいいですか」と主治医に確認してから。
また、和漢みらいは香りに特徴のあるフードです。
嗅覚の衰えた老犬では香りの強さがプラスに働くこともありますが、好みは分かれるため、初回は少量から試すのがおすすめです。

市販で買える低脂肪フード/Dr.サク解説商品
和漢みらいの ドッグフード 膵臓用
- 脂質7.1%以上(公式保証分析値)の低脂肪・低糖質設計
- 鹿肉・馬肉・魚+89種以上の和漢植物を配合
- 処方不要。公式サイトからそのまま購入できる
\ 最安値・キャンペーン情報は公式サイトで /
療法食と市販フード、うちの子はどっち?
3商品を見てきたところで、使い分けの考え方を整理します。
療法食(ロイヤルカナン・ヒルズ)が優先される段階
急性膵炎の発症直後〜回復期、血液検査の数値が安定していない時期は、獣医師の管理下で療法食を使うのが基本です。
この段階で自己判断のフード変更は禁物です。
市販の低脂肪フードが選択肢になる段階
症状が落ち着き、慢性膵炎として長期管理に移った段階では、「低脂肪の市販フードで様子を見ましょう」と主治医から提案されることがあります。
このタイミングなら、食いつき・続けやすさ・費用も含めて、和漢みらいのような市販低脂肪フードが現実的な選択肢になります。
判断の主役は、いつでも主治医です。
同じ膵炎でも、重症度・併発疾患・体重の推移によって最適解は変わります。
この記事の比較は「主治医と相談するための材料」として使ってください。
よくある質問
Q. 手作り食と市販フード、どちらがいいですか?
A. 手作りで膵炎に必要な低脂肪と栄養バランスを両立するのは、かなり難易度が高いです。
脂質を抑えるとカロリーと栄養が不足しやすく、設計には専門知識が要ります。
基本は膵炎に配慮されたフードを軸に、手作りを取り入れたい場合は主治医に相談してください。
Q. ウェットとドライ、老犬にはどっちがいいですか?
A. 食欲と水分補給の面ではウェットに利点があり、歯やあごが弱った老犬にも食べやすい形です。
ただし膵炎の場合、ウェットでも脂質が低いものを選ぶ必要があります。
ドライをぬるま湯でふやかす方法なら、香りが立って食いつきが上がり、水分も摂れて一石二鳥です。
Q. 療法食はずっと続けないといけませんか?
A. 病状によります。
急性膵炎の回復後、状態が安定すれば、主治医の判断で市販の低脂肪フードや通常食に移行できるケースもあります。
一方、再発を繰り返す子や慢性膵炎の子では、低脂肪の食事を生涯続ける前提で考えることもあります。
「うちの子はどのパターンか」を主治医に確認しておきましょう。
Q. フードを食べてくれないときの工夫は?
A. ぬるま湯でふやかす、人肌程度に温める、食器を浅いものに替える、手から少しずつ与える、といった工夫が有効です。
それでも丸1日以上食べない場合は、工夫を重ねるより先に受診してください。
老犬の膵炎では、食欲不振が病状悪化のサインのことがあります。
👉 膵炎の全体像は膵炎の症状と治療・食事ガイド【完全版】をご覧ください。
まとめ──「老犬の膵炎」は、成分・食いつき・併発疾患の3つで選ぶ
老犬の膵炎フード選びの要点を整理します。
- 基本は低脂肪。ただしカロリー不足による痩せにも注意
- 老犬は食いつきも性能のうち。ふやかし・温めの工夫もセットで
- 併発疾患(腎臓・心臓)があれば、条件が二重になる。主治医との相談が必須
- 急性期・不安定期は療法食(ロイヤルカナン・ヒルズ、獣医師の指導下)、安定した長期管理期は市販低脂肪フード(和漢みらい等)が選択肢に
- フードの切り替えは7〜10日かけて慎重に
膵炎の食事管理は長い付き合いになります。
成分の数字だけでなく、「その子が喜んで食べ続けられるか」まで含めて、主治医と一緒にベストな1袋を見つけてあげてください。

