犬の腎臓病に与えていい野菜・控えたい野菜【獣医師が一覧で解説】

犬の腎臓病

※本記事はプロモーションを含みます

愛犬が腎臓病と診断され、「いつものごはんに野菜を足してあげたいけれど、何ならあげていいの?」と悩んでいませんか。


インターネットで調べても、サイトによって「あげていい」「ダメ」がバラバラで、何を信じればいいのか分からなくなりますよね。


腎臓病の犬にとって、野菜選びは「カリウム・リン・シュウ酸・塩分」という4つの成分をどう抑えるかが鍵になります。


この記事では、現役獣医師のDr.サクが、犬に与えていい野菜・控えたい野菜を数値つきの一覧表で示し、その理由と与え方、腎臓病のステージ別の考え方までまとめて解説します。


成分の数値は、文部科学省の日本食品標準成分表(八訂)をもとにしています。
ただし、適切な野菜と量は腎臓病のステージや体重、併発疾患によって変わります。
最終的な判断は、必ずかかりつけの主治医に相談してください。

この記事の著者・監修者:Dr.サク(臨床10年以上)
現役の獣医師、都内動物病院に勤務。腎臓病を中心に、食事療法で数多くの犬の健康寿命を延ばしてきた実績を持つ。専門的な医学的知見に基づき、愛犬に本当に必要なフードを厳選しています。

  1. 【結論】与えていい野菜・控えたい野菜 一覧表
  2. なぜ野菜の選び方が大切か──腎臓と4つの栄養素
    1. カリウム──排泄できず高カリウム血症の危険
    2. リン──骨と血管を守るために制限する
    3. シュウ酸──結石のリスク
    4. ナトリウム(塩分)──腎臓への負担
  3. 与えていい野菜(○)──低カリウム・低リン
    1. キャベツ──加熱すればさらに安心の定番野菜
    2. もやし──最少クラスの低カリウム
    3. ピーマン・きゅうり・レタス──低リンの脇役たち
  4. 少量なら与えられる野菜(△)──茹でこぼし・量の調整で
    1. にんじん──彩りと嗜好性のバランス型
    2. 大根・トマト・白菜・なす──水分が多く使いやすい組
    3. オクラ・ごぼう・アスパラガス──リンがやや高めの組
    4. 小松菜・カリフラワー──「茹でこぼし」で生まれ変わる組
    5. きのこ類(しいたけ・まいたけ・しめじ・エリンギ)──刻んで加熱・少量
  5. 控えたい野菜(×)──カリウム・リン・シュウ酸が高い
    1. ブロッコリー──「健康野菜」でも腎臓病には不向き
    2. ほうれん草──シュウ酸の代表格
    3. 枝豆──リンが圧倒的に高い
    4. セロリ・じゃがいも──カリウムが下げにくい
  6. 茹でこぼしでカリウムを減らす方法【数値付き】
  7. 腎臓病のステージで野菜の選び方は変わる?
  8. 療法食に野菜をトッピングするときの注意
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ──迷ったら主治医に相談を

【結論】与えていい野菜・控えたい野菜 一覧表

まず結論から、主な野菜の判定を一覧でまとめます。
カリウムとリンの数値は、可食部100gあたり(生)の含有量です。

【凡例】 ○=比較的与えやすい/△=少量・茹でこぼしなど条件つき/×=控えたい

野菜判定カリウム(mg)リン(mg)シュウ酸ひとこと
もやし7927少ない低カリウム・低リン
キャベツ19026少ない加熱でさらに安心
ピーマン19022少ない低リン
きゅうり20036ほぼなし水分補給を兼ねる
レタス20022少ない低リン
トマト21026少ないカリウムやや高め
大根23017ほぼなしリンは最少クラス
白菜22033少ない加熱して少量
なす22030中程度加熱して少量
にんじん30028少ない茹でて少量
アスパラガス27060少ないリンやや高め
オクラ28058中程度少量
ごぼう32062中程度茹でて少量
小松菜500→14045少ない茹でこぼし前提
カリフラワー410→22068少ない茹でこぼし前提
きのこ類230〜37054〜96刻んで加熱・少量
ほうれん草×69047多いシュウ酸が非常に多い
ブロッコリー×460110少ないリンが高い
枝豆×590170少ないリンが非常に高い
セロリ×41039少ないカリウムが高い
じゃがいも×41047少ない茹でても下がりにくい

※小松菜・カリフラワーの「500→140」などは、生の値→茹でこぼし後の値です。
この表はあくまで一般的な目安です。
愛犬の腎臓病のステージや体重によって、与えてよい野菜も量も変わります。

なぜ野菜の選び方が大切か──腎臓と4つの栄養素

健康な犬であれば、たいていの野菜は少量のおやつやトッピングとして問題になりません。
それなのに、なぜ腎臓病になると野菜選びに気をつかう必要があるのでしょうか。
理由は、健康な腎臓なら尿として排泄できる成分が、弱った腎臓ではうまく処理できず、体の中にたまってしまうからです。


特に注意したいのが、カリウム・リン・シュウ酸・ナトリウム(塩分)の4つです。
この4つの「なぜ」を知っておくと、一覧表の○△×の意味がぐっと理解しやすくなります。

カリウム──排泄できず高カリウム血症の危険

カリウムは神経や筋肉の働きに欠かせないミネラルで、健康な体では余った分が腎臓から尿へ排泄され、血中濃度は一定に保たれています。
ところが腎臓の働きが低下すると、カリウムをうまく排泄できず、血液中にたまっていくことがあります。
これが進むと「高カリウム血症」と呼ばれる状態になり、不整脈など心臓の働きに影響が及ぶおそれがあります。


心臓は筋肉でできた臓器なので、筋肉の働きを左右するカリウムの異常に敏感なのです。
野菜や果物にはカリウムが豊富なものが多いため、腎臓病の犬では「どの野菜が、どのくらいカリウムを含むか」を知っておくことが大切になります。

リン──骨と血管を守るために制限する

リンは骨や歯をつくる大切なミネラルですが、これも腎臓が弱るとうまく排泄できなくなる成分です。
血中のリンが高い状態が続くと、体はバランスを取ろうとしてホルモンを過剰に分泌し、骨からカルシウムが溶け出しやすくなります。


その結果、骨がもろくなったり、血管などの軟部組織にカルシウムが沈着(石灰化)したりする一因になると考えられています。


腎臓病の進行を緩やかにするうえで、リンの管理は獣医療でも特に重視されているポイントです。
腎臓病用の療法食が「低リン」に設計されているのはこのためで、リンの多い野菜をたくさん足すと、せっかくの設計を崩してしまいます。
そして重要なことに、後で詳しく述べますが、カリウムと違ってリンは茹でてもあまり減りません

シュウ酸──結石のリスク

シュウ酸は、体内でカルシウムと結びつくと「シュウ酸カルシウム結石」という結石の材料になりうる成分です。
シュウ酸カルシウム結石は犬の尿路結石の中でも多いタイプで、一度できると食事管理だけでは溶かせません。
腎臓病の犬は尿の状態が変化しやすく、結石のリスクにも気を配りたいところです。


ほうれん草はシュウ酸が特に多い野菜の代表で、腎臓や尿路に不安のある犬では控えたい食材です。
シュウ酸も茹でることである程度は減らせますが、もともとの含有量が多い野菜では、茹でても安心できる水準まで下がるとは限りません。

ナトリウム(塩分)──腎臓への負担

塩分のとりすぎは腎臓に負担をかけ、血圧にも影響します。
高血圧は腎臓の細い血管をさらに傷つけるため、腎臓病では塩分管理も大切です。
幸い、野菜そのものに含まれるナトリウムは全般的に多くありません。


注意すべきは調理のほうで、人間用に味付けしたもの、塩茹でしたもの、加工食品はすべて避けてください。
犬に与える野菜は「味付けなし・素材のまま加熱」が原則です。

与えていい野菜(○)──低カリウム・低リン

ここからは判定ごとに、具体的な野菜を見ていきます。
まずは比較的与えやすい「○」の野菜です。
いずれもカリウム・リンが低めですが、「○だからたくさんあげていい」わけではありません。
あくまで療法食の妨げにならない少量のトッピングとして使い、味付けはしないでください。

キャベツ──加熱すればさらに安心の定番野菜

キャベツはカリウム190mg・リン26mgと、どちらも低めの使いやすい野菜です。
茹でるとカリウムは92mgまで下がり、さらに安心して使えます。
細かく刻んで柔らかく茹でれば消化もしやすく、トッピングの定番として優秀です。
芯の部分は硬く消化しにくいので、葉の部分を中心に使いましょう。

もやし──最少クラスの低カリウム

もやしはカリウム79mgと、今回紹介する野菜の中で最も低い数値です。
リンも27mgと控えめで、価格も手頃なため続けやすい食材です。
ひげ根を取って柔らかく茹で、細かく刻んで与えてください。
シャキシャキ感が残ると丸呑みしやすいので、しっかり加熱するのがポイントです。

ピーマン・きゅうり・レタス──低リンの脇役たち

ピーマンはカリウム190mg・リン22mgで、特にリンの低さが光ります。
独特の苦味を嫌う犬もいるので、細かく刻んで加熱し、少量から試してください。


きゅうりはカリウム200mg・リン36mgで、約95%が水分です。
シュウ酸もほぼ含まず、水分補給を兼ねた夏のおやつとして少量与えられます。


レタスはカリウム200mg・リン22mgで、こちらもリンが低い野菜です。
いずれも初めて与えるときは少量から始め、便がゆるくならないか様子を見てください。

少量なら与えられる野菜(△)──茹でこぼし・量の調整で

次に「△」、条件つきで少量なら与えられる野菜です。
カリウムやリンがやや高めのため、「量を控える」「茹でこぼす」という工夫が前提になります。
△の野菜は、ステージが進んでいる場合は避けたほうが無難なこともあります。
迷う場合は主治医に確認してから取り入れてください。

にんじん──彩りと嗜好性のバランス型

「犬 腎臓病 にんじん」と検索する飼い主さんは多いのですが、実は競合する情報が少なく、判断に迷いやすい野菜です。
結論から言うと、にんじんはカリウム300mg・リン28mgで、茹でて少量なら使いやすい△の野菜です。


カリウムは中程度ですが、茹でると240mg程度まで下がります。
リンが28mgと低いのは大きな利点で、リン制限が重要な腎臓病では使い勝手の良さにつながります。
ほんのり甘みがあって嗜好性が高く、食欲が落ち気味の子の食いつきを助ける彩りとしても優秀です。
β-カロテンなどの栄養も含みますが、「栄養を摂らせるため」ではなく、あくまで風味づけ・彩りとしての少量にとどめてください。


生のにんじんは硬く消化しにくいので、必ず柔らかく茹でて、細かく刻むかすりおろして与えましょう。
茹で汁にはカリウムが溶け出しているので、捨てるのを忘れずに。

大根・トマト・白菜・なす──水分が多く使いやすい組

大根はカリウム230mgですが、リンが17mgと今回の野菜の中で最少クラスです。
消化を助ける酵素を含むともいわれ、すりおろして少量加える使い方が向いています。
ただしカリウムは茹でてもあまり減らない(230→210mg)ので、量は控えめに。
トマトはカリウム210mgでやや高めですが、リンは26mgと低めです。
完熟した赤い実を少量、湯むきして与えてください。


未熟な青いトマトやヘタ・茎には犬に有害な成分が含まれるため、必ず熟したものを。
白菜はカリウム220mg・リン33mgで、茹でると160mgまで下がります。
水分が多く低カロリーなので、かさ増しトッピングに向いています。
なすはカリウム220mg・リン30mgで、シュウ酸が中程度含まれるため、加熱して少量にとどめましょう。

オクラ・ごぼう・アスパラガス──リンがやや高めの組

オクラはカリウム280mg・リン58mgです。
特徴的なのは、茹でてもカリウムがほぼ下がらない(280→280mg)こと。
ネバネバ成分が水への溶け出しを妨げると考えられ、茹でこぼしの効果を期待できない野菜です。
与えるなら細かく刻んで、ごく少量に。
ごぼうはカリウム320mg・リン62mgで、シュウ酸も中程度含みます。
茹でると210mgまで下がるので、「茹でこぼして少量」が条件です。


食物繊維が非常に多く、与えすぎると消化器の負担になる点も覚えておいてください。
アスパラガスはカリウム270mg・リン60mgです。
こちらも茹でてもカリウムがほとんど下がらない(270→260mg)タイプなので、量の調整で対応します。
穂先の柔らかい部分を少量、が使い方の目安です。

小松菜・カリフラワー──「茹でこぼし」で生まれ変わる組

小松菜は、生で見るとカリウム500mgと「×」レベルの高さです。
しかし茹でこぼすと約140mgまで下がります(約7割減)。
これは今回調べた野菜の中で最大の下がり幅です。
リンも45mgと低く、シュウ酸も少ないため、「茹でこぼし前提」なら△として使える野菜です。


よく「ほうれん草の代わりに小松菜」と言われるのは、シュウ酸が圧倒的に少ないからで、腎臓病でもこの代替は理にかなっています。


ただし、生のまま、または茹で汁ごとスープにして与えるのは絶対に避けてください。
それでは500mgのカリウムをそのまま摂ることになります。
カリフラワーも同様に、生のカリウム410mgが茹でこぼしで約220mgまで下がります。
リンは68mgとやや高めなので、茹でこぼしたうえで少量に。

きのこ類(しいたけ・まいたけ・しめじ・エリンギ)──刻んで加熱・少量

きのこ類はカリウムが中程度(230〜370mg)で、リンもやや高め(54〜96mg)のものがあります。


まいたけは茹でるとカリウムが230→110mgと半分以下になり、きのこの中では使いやすい部類です。
しいたけは290→200mg、しめじは370→280mgと、茹でこぼしの効果はそこそこです。
エリンギも含め、いずれも「細かく刻んで、しっかり加熱して、少量」が原則です。


きのこは食物繊維が多く、丸呑みすると消化不良の原因になります。
なお、犬に与えてよいのは市販の食用きのこだけです。
散歩中の野生のきのこは中毒の危険があるため、絶対に食べさせないでください。

控えたい野菜(×)──カリウム・リン・シュウ酸が高い

最後に、腎臓病では控えたい「×」の野菜です。
これらに共通するのは、茹でても問題の成分が十分に下がらないことです。

ブロッコリー──「健康野菜」でも腎臓病には不向き

ブロッコリーは犬のトッピング食材として人気が高く、「あげていいはず」と思っている飼い主さんも多い野菜です。
健康な犬であれば、少量のブロッコリーは確かに問題ありません。


しかし腎臓病の犬では話が変わります。

問題は2つあります。
1つ目はカリウム460mgという高さ。
これは茹でこぼせば210mgまで下げられます。
2つ目が本質的な問題で、リンが110mgと野菜の中でも特に高いことです。
リンは茹でてもほとんど減りません。


リンの管理は腎臓病の進行を緩やかにするうえで核心となる部分なので、リンが高い食材をわざわざトッピングに選ぶ理由がないのです。
「茎なら大丈夫?」「スプラウトなら?」という質問もありますが、いずれもリンの問題は残ります。
腎臓病と診断されたら、ブロッコリーは思い切って卒業し、キャベツやもやしなど低リンの野菜に切り替えるのが安心です。

ほうれん草──シュウ酸の代表格

ほうれん草はカリウム690mgと今回の最高値で、さらにシュウ酸が非常に多い野菜です。
茹でればカリウムは490mgまで下がりますが、それでもなお高く、シュウ酸も安心できる水準までは下がりません。
シュウ酸カルシウム結石のリスクを考えると、腎臓や尿路に不安のある犬には選ばない野菜です。
青菜を使いたいときは、前述の通り「茹でこぼした小松菜」が良い代替になります。

枝豆──リンが圧倒的に高い

枝豆はリン170mgと、今回調べた野菜の中で圧倒的に高い数値です。
カリウムも590mgと高く、二重の意味で腎臓病には不向きです。
「数粒なら平気では?」と思うかもしれませんが、療法食でせっかくリンを抑えているのに、わざわざリンの塊を足す必要はありません。
おやつ感覚で与えていた家庭では、診断を機にやめましょう。

セロリ・じゃがいも──カリウムが下げにくい

セロリはカリウム410mgと高く、加熱して食べる習慣も少ないため、茹でこぼしによる減少も見込みにくい野菜です。
じゃがいもはカリウム410mgで、茹でても340mgまでしか下がりません(約2割減)。
いも類はもともとカリウムが多く、水にさらしても内部までは抜けにくいのです。
ほくほくした食感で犬も好みやすいのですが、腎臓病では控えるのが安心です。


同じいも類のさつまいも(カリウム480mg)、緑黄色野菜のかぼちゃ(同430mg)も高カリウムの仲間です。

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茹でこぼしでカリウムを減らす方法【数値付き】

ここまで何度も出てきた「茹でこぼし」のやり方を整理します。
カリウムは水に溶け出す性質があるため、正しく茹でこぼせば大きく減らせます。

手順は3つだけです。

  1. 野菜を小さめに切る(切断面が増えるほどカリウムが溶け出しやすくなります)
  2. たっぷりの湯で茹でる
  3. 茹で汁は必ず捨てる(スープにしない)

主な野菜のカリウムの減り方は次の通りです。

野菜生(mg)茹で(mg)減少のめやす
小松菜500140約7割減
まいたけ230110約5割減
ブロッコリー460210約5割減
カリフラワー410220約5割減
キャベツ19092約5割減
ごぼう320210約3割減
にんじん300240約2割減
じゃがいも410340約2割減
アスパラガス270260ほぼ変化なし
オクラ280280変化なし

表から分かる通り、茹でこぼしの効果は野菜によって大きく違います。
葉物は下がりやすく、いも類やネバネバ系は下がりにくい傾向があります。
そしてもう1つ、必ず覚えておいてほしいことがあります。
茹でこぼしで減らせるのは主にカリウムで、リンやシュウ酸は十分に減らせるとは限りません。
ブロッコリー(リンが高い)やほうれん草(シュウ酸が多い)が、茹でても「×」のままなのはこのためです。
茹でこぼしは強力な工夫ですが、万能ではないのです。

腎臓病のステージで野菜の選び方は変わる?

腎臓病は、IRIS分類などで進行度(ステージ)が評価され、ステージによって食事制限の厳しさが変わります。
野菜の選び方も、このステージによって考え方が変わってきます。

ごく一般的な目安として、初期にあたるステージ2では、△の野菜も茹でこぼしと少量を守れば取り入れやすいと考えられます。


食欲があるうちに「食べる楽しみ」を残してあげることも、長い食事管理を続けるうえで大切だからです。
一方、進行したステージ3〜4では、○の野菜を中心にし、量もより控えめにするのが安心です。


進行するほどカリウムやリンの排泄能力が落ちるため、同じ野菜・同じ量でも体への影響が大きくなります。
ただし、これはあくまで一般的な考え方です。
同じステージでも、血液検査の数値(カリウム値・リン値)や、心臓病など併発している病気によって、適切な内容は一頭ごとに変わります。
愛犬が今どのステージで、何をどのくらいまで与えてよいかは、検査数値を見ている主治医に必ず確認してください。

療法食に野菜をトッピングするときの注意

最後に、いちばん大切な前提を確認させてください。
腎臓病の食事の主役は、あくまで腎臓病用の療法食です。


療法食はカリウム・リン・タンパク質・塩分が緻密に計算されて設計されており、野菜を足しすぎると、そのバランスが崩れてしまいます。

トッピングの量の目安として、一般に「1日に必要なカロリーの1割程度まで」という考え方があります。
ただし、適切な量は体重・ステージ・併発疾患によって変わるため、具体的に何グラムまでなら大丈夫かは、主治医に相談して決めてください。
「野菜は健康にいいから」とたくさん足すのではなく、療法食を主役に、野菜はあくまで少量の彩りや風味づけ、と考えるのが安全です。

そもそもの食事療法食を見直したい、食いつきが悪くて困っている、という場合は、腎臓ケアを考えた食事療法食の選択肢を比較してみるのも一つの方法です。

よくある質問(FAQ)

Q. 生野菜と加熱した野菜、どちらがいいですか?
A. 腎臓病では加熱、特に茹でこぼしをおすすめします。
カリウムを減らせるうえ、消化もしやすくなります。
生で与えてよいのは、きゅうりなど元々カリウムが低い野菜を少量、にとどめてください。

Q. 野菜ジュースやスムージーは与えてもいいですか?
A. おすすめしません。
ジュースやスムージーは野菜が凝縮されており、カリウムを一度に多く摂ってしまいやすい形です。
茹でこぼしと正反対の「カリウムを濃縮して飲む」形になることを覚えておいてください。

Q. 手作りごはんで野菜をあげるときの注意は?
A. 手作り食だけで腎臓病に必要な栄養制限(低リン・低ナトリウム・適切なタンパク質)を満たすのは、実はかなり難しいことです。
自己流で続ける前に、必ず主治医や栄養に詳しい獣医師に相談してください。
療法食をベースに、本記事の○の野菜を少量トッピングする形が現実的です。

Q. 腎臓病の犬が野菜を食べたがらないときは?
A. 無理に食べさせる必要はまったくありません。
野菜はあくまで補助で、腎臓病の食事で優先すべきは療法食をしっかり食べてもらうことです。
食欲不振が続く場合は、野菜の工夫より先に受診してください。
食欲の低下は腎臓病の進行サインのこともあります。

まとめ──迷ったら主治医に相談を

犬の腎臓病では、カリウム・リン・シュウ酸・塩分を抑えた野菜選びが大切です。
要点をまとめます。

  • ○の野菜(もやし・キャベツ・ピーマン・きゅうり・レタス)は低カリウム・低リンで比較的与えやすい
  • △の野菜(にんじん・小松菜・カリフラワーなど)は「茹でこぼし+少量」が条件
  • ×の野菜(ほうれん草・ブロッコリー・枝豆・セロリ・じゃがいも)は、茹でても問題成分が残るため控える
  • 茹でこぼしで減らせるのはカリウムで、リンとシュウ酸は茹でても残る
  • ステージが進むほど制限は厳しく、ステージ2なら△も少量OK、ステージ3〜4は○中心に
  • 野菜は補助であり、主役は療法食。トッピングは1日のカロリーの1割程度までの考え方で

愛犬のステージや体調によって、最適な野菜と量は変わります。
迷ったときは自己判断せず、かかりつけの主治医に相談しながら、無理のない食事管理を続けていきましょう。

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