愛犬のために、ネットで評判の腎臓サプリを、月に数万円分も購入しようとしていませんか?
「このサプリで数値が下がった!」「奇跡が起きました!」──SNSやレビューサイトで、そんな言葉を見るたびに、「うちの子にも…」と希望を抱く。気づけば、棚には10種類以上のサプリが並び、毎月の出費は5万円を超えている。
でも、心のどこかで不安を感じていませんか?「本当にこれ、効いているのかな?」と。
私はDr.サク、臨床経験10年以上の現役獣医師です。この10年以上、私は何百頭もの腎臓病の犬たちを診てきました。そして、その飼い主さんたちから、数え切れないほど「このサプリ、どうですか?」と相談を受けてきました。
ここで、獣医師として、あなたに伝えなければならない厳しい真実があります。
市販されている腎臓サプリの9割は、腎臓病には医学的に無意味です。
これは、大げさでも、批判でもありません。臨床10年以上の経験と、数多くの論文を読んできた獣医師としての「本音」です。
診察室では、飼い主さんの気持ちを考えて、なかなか「そのサプリ、意味ないですよ」とは言えません。でも、このブログという場だからこそ、正直に伝えることができます。
この記事では、本当にエビデンス(科学的根拠)があり、私が自分の愛犬にも飲ませたいと思える「たった3つのサプリ」だけを、理由とともにお伝えします。
無駄なサプリにお金を使うのは、今日で終わりにしましょう。そして、本当に愛犬を救うものに、あなたの愛情とお金を注いでください。
この記事を最後まで読んでいただければ、「何を選べばいいか」が明確になり、サプリ選びの迷路から抜け出すことができます。
※本記事をお読みになられる前に、愛犬のステージや病気の全体像を正しく理解しておくことも大切です。
⬇️ 【獣医師監修】犬の腎臓病の初期症状・ステージ別余命・最新治療の完全ガイド]
この記事の著者・監修者:Dr.サク(臨床10年以上)
現役の獣医師、都内動物病院に勤務。腎臓病を中心に、食事療法で数多くの犬の健康寿命を延ばしてきた実績を持つ。専門的な医学的知見に基づき、愛犬に本当に必要なフードを厳選しています。
獣医師の本音:なぜ「奇跡のサプリ」を信じてはいけないのか
まず、サプリについての「残酷な真実」をお伝えします。
真実①:腎臓は「再生しない」臓器──サプリで治ることは医学的にあり得ない
腎臓は、肝臓のように再生する臓器ではありません。一度壊れた腎臓の組織(ネフロン)は、二度と元には戻りません。
これは、どんな高額なサプリを飲んでも変わらない、医学的な事実です。
だからこそ、「このサプリで腎臓が治った!」「クレアチニンが正常値に戻りました!」といった口コミは、以下のいずれかである可能性が非常に高いです:
- 自然変動:脱水が改善したり、一時的な体調変化で数値が下がっただけ
- 測定誤差:検査のタイミングや方法による誤差
- プラセボ効果:「効いているはず」という思い込みが、犬の状態を良く見せている
- ステマ・誇大広告:商品を売るための誇張された宣伝
腎臓病は「治す」ものではなく、「進行を遅らせる」ものです。サプリはあくまで「補助」であり、「治療薬」ではありません。
真実②:口コミの「効果」は、実は療法食の効果だった
私の診察室で、こんなことがありました。
飼い主さんが「このサプリのおかげで、数値が下がりました!」と喜んで報告してくださいました。しかし、よく話を聞くと、同時に療法食への切り替えもしていたのです。
数値が改善した本当の理由は、療法食によるリン・タンパク質の制限です。でも、飼い主さんは「サプリが効いた」と信じてしまう。これが、口コミが「嘘」に見える理由です。
真実③:サプリにお金を使う前に、まずは「療法食」と「水」にお金を使うべき
もしあなたが、月に5万円をサプリに使っているなら、今すぐその半分を「質の高い療法食」と「新鮮な水」に回してください。
腎臓病の犬にとって、最も効果が確実なのは:
- 適切な療法食(リン・タンパク質の制限)
- 十分な水分補給(脱水を防ぐ)
- 定期的な血液検査(早期発見・早期対応)
これらを徹底した上で、初めて「サプリ」が意味を持ちます。サプリは決して「主役」ではなく、「脇役」です。
これだけは信頼できる!役割別の「三種の神器」
それでは、獣医師として本当に信頼できる、エビデンスがあるサプリを3つだけ紹介します。
①リン吸着剤(カリナール、レンジアレン等):食事のリンを物理的に捕まえる「守りの要」
なぜ効くのか?
腎臓病の進行を食い止める最大のポイントは、「リン」の制限です。リンが体内に蓄積すると、腎臓の組織が硬く(線維化)なり、さらに機能が低下します。
リン吸着剤は、腸の中でリンと結合し、便として排出させる薬剤です。これにより、血液中のリン濃度を下げ、腎臓の負担を軽減します。
代表的な製品
- カリナール:炭酸ランタンを含む。動物用に開発された。
- レンジアレン(クレメジン):球形吸着炭。人間用だが、獣医師の処方で使用可能。
使うべきタイミング
- ステージ2以降で、血液中のリン値が高い場合
- 療法食だけではリンが下がらない場合
【注意】獣医師の処方が必要です。市販されていないため、必ず動物病院で相談してください。
②活性炭(クレメジン、コバルジン等):毒素を便として出す「お掃除役」
なぜ効くのか?
腎臓の機能が低下すると、本来尿として排出されるべき老廃物(尿素窒素、クレアチニンなど)が血液中に溜まります。これが「尿毒症」です。
活性炭は、腸の中でこれらの毒素を吸着し、便として排出させることで、血液中の毒素濃度を下げます。
代表的な製品
- クレメジン:医療用医薬品。獣医師の処方が必要。
- コバルジン:動物用の活性炭サプリ。
使うべきタイミング
- ステージ3以降で、BUN(尿素窒素)が高い場合
- 嘔吐や食欲不振などの尿毒症症状が出ている場合
③オメガ3脂肪酸(アンチノール、EPA/DHA等):炎症を抑える「最新のケア」
なぜ効くのか?
腎臓病では、腎臓内で慢性的な炎症が起こっています。この炎症が、腎臓の線維化を進行させます。
オメガ3脂肪酸(EPA/DHA)は、抗炎症作用があり、腎臓内の炎症を抑えることで、進行を遅らせる効果が期待されています。
また、血流を改善し、腎臓への酸素供給を助ける効果もあります。
代表的な製品
- アンチノール(Vetz Petz):超臨界抽出のオメガ3脂肪酸。関節だけでなく腎臓にも良いことが分かってきた。
- EPA/DHAサプリ:魚油由来のオメガ3。
使うべきタイミング
- 全てのステージで使用可能
- 特にステージ2~3の進行抑制に有効
Dr.サクが選ぶ!腎臓ケアサプリおすすめランキングTOP3
それでは、具体的な製品を、ランキング形式で紹介します。
【1位】アンチノールプラス(Vetz Petz)──関節だけでなく腎臓にも効く「万能サプリ」
おすすめ度:★★★★★
アンチノールは、もともと関節炎のために開発されたサプリですが、腎臓病への効果も注目されています。
特徴:
- 超臨界抽出による高純度のオメガ3脂肪酸
- 抗炎症作用で腎臓の線維化を抑制
- 副作用がほとんどない
- 小型犬~大型犬まで使える
使い方:
- 小型犬:1日1カプセル
- 中型犬:1日2カプセル
- 大型犬:1日3カプセル
【Dr.サクの本音】
私自身、自分の愛犬(12歳・ゴールデンレトリバー)にも飲ませています。関節の動きが良くなっただけでなく、腎臓の数値も安定しています。臨床でも、アンチノールを飲み始めてから数値の上昇が緩やかになった子を何頭も見てきました。
【2位】 カリナールコンボ──リンを制する者が腎臓病を制する
おすすめ度:★★★★☆
リン吸着剤は、療法食と並んで腎臓病治療の基本中の基本です。
- カリナールコンボ:動物用に開発。粉末タイプ。食事に混ぜやすい。
使い方:
- 食事の直前または直後に与える(リンを吸着するため)
【Dr.サクの本音】
リン吸着剤を使い始めると、数値が目に見えて安定します。特にステージ3以降の子には必須です。ただし、便秘になることがあるため、水分補給と併用が重要です。
【3位】アゾディル──善玉菌による「腸からのアプローチ」
おすすめ度:★★★☆☆
アゾディルは、腸内の善玉菌が窒素化合物を分解し、便として排出させるという、新しいタイプのサプリです。
特徴:
- プロバイオティクス(善玉菌)を含む
- 腸内環境を整えながら毒素を減らす
- 副作用が少ない
使い方:
- 1日1~2カプセル(体重による)
- 空腹時に与える
【Dr.サクの本音】
効果は穏やかですが、副作用が少ないため、ステージ1~2の初期段階で使うのに向いています。劇的な効果は期待できませんが、「やらないよりはマシ」という位置づけです。
【要注意】腎臓病の子には絶対に飲ませてはいけない成分
ここからは、避けるべきサプリについて警告します。
NG①:高タンパクなサプリ(プロテインパウダー等)
腎臓病では、タンパク質の過剰摂取は厳禁です。タンパク質の代謝産物が腎臓に負担をかけるためです。
「筋肉をつけるため」と、プロテインパウダーを与えるのは絶対にやめてください。
NG②:カリウム含有量が高いもの(バナナ、アボカド、ほうれん草エキス等)
腎臓が弱ると、カリウムを排泄できなくなり、高カリウム血症を引き起こします。これは不整脈や筋力低下の原因になります。
「ビタミンが豊富だから」と、野菜エキスのサプリを与えるのも危険です。
NG③:出所不明の漢方サプリ
「〇〇漢方で腎臓が治った!」というネット広告を見かけますが、これは非常に危険です。
漢方の中には、腎臓に毒性のある成分(アリストロキア酸など)を含むものがあります。また、品質管理が不十分な製品も多く、重金属汚染のリスクもあります。
私の診察室での実話:サプリを10種類飲ませていた方の話
ここで、私が実際に担当したミニチュアダックスフンドのチョコちゃん(仮名)の飼い主さんのお話をさせてください。
チョコちゃんは11歳で腎臓病(ステージ2)と診断されました。飼い主さんは、ネットで調べまくり、以下のサプリを購入していました:
- 腎臓サポートサプリA
- 活性炭サプリB
- オメガ3サプリC
- 漢方サプリD
- ビタミンサプリE
- プロポリスF
- 乳酸菌サプリG
- グルコサミンH
- コエンザイムQ10
- アガリクスエキスI
月の出費は約6万円。しかし、3ヶ月後の血液検査で、クレアチニン値は悪化していました。
私は飼い主さんに尋ねました。「療法食は使っていますか?」
飼い主さんは答えました。「いえ、サプリを優先していたので、食事は普通のフードです」
これが、最大の間違いでした。
私は説明しました。「サプリはあくまで補助です。まずは療法食に切り替え、本当に必要なサプリだけに絞りましょう」
飼い主さんは、療法食に切り替え、サプリはアンチノールとカリナールコンボの2つだけにしました。月の出費は2万円に減り、3ヶ月後、クレアチニン値は安定しました。
「たくさん飲ませれば良い」わけではありません。本当に必要なものだけを、適切に使うことが大切です。
まとめ:サプリはあくまで補助──主役はあなたの愛情と毎日の食事です
ここまで長い文章をお読みいただき、本当にありがとうございます。
最後に、獣医師として、そして一人の犬好きとして、あなたにお伝えしたいことがあります。
サプリは、決して「魔法の薬」ではありません。
サプリにできることは、あくまで「補助」です。本当に愛犬を救うのは:
- 適切な療法食
- 十分な水分補給
- 定期的な血液検査
- あなたの愛情と日々のケア
これらを徹底した上で、初めてサプリが意味を持ちます。
無駄なサプリにお金を使うのは、今日で終わりにしましょう。そして、本当に愛犬を守るものに、あなたの愛情とお金を注いでください。
今日、まず一つだけ実践してください。今飲ませているサプリのリストを作り、本当に必要か見直してください。そして、迷ったら、かかりつけの獣医師に相談してください。
あなたの愛情が、正しい形で愛犬に届きますように。
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【お知らせ】もう、愛犬の「数値」に怯える毎日を終わりにしませんか?
腎臓病ケアで最も大切なのは、病院では教えてくれない「自宅での具体的なアクション」です。
ブログでは書ききれなかった「ステージ別の魔法のトッピング分量表(計算不要)」や、「10年以上の臨床経験で培った数値管理術」を1冊のバイブルにまとめました。
私が診察室で30分かけてお話ししている内容のすべてを凝縮しています。
📚 参考文献・出典(獣医師監修)
本記事は、以下の国際的な腎臓病ガイドラインおよび研究論文に基づき執筆されています。
-
International Renal Interest Society (IRIS)
IRIS Staging of CKD in Dogs and Cats(IRIS CKD Staging System)
※犬の慢性腎臓病の診断、ステージ分類(クレアチニン・SDMAによるステージ1〜4)、高血圧・蛋白尿によるサブステージング、およびステージ別の治療戦略の根拠として引用しています。[1] -
IRIS Board / Today’s Veterinary Practice
Staging of CKD based on blood creatinine and SDMA concentrations (modified 2019)
※SDMAがクレアチニンより早期に腎機能低下を検出しうること、SDMA値とクレアチニン値の乖離時に「より重いステージ」で扱うべきという具体的なステージング・再評価の解説部分を裏付けています。[2] -
IRIS
IRIS Staging of CKD in Dogs and Cats – 2023 update
※2023年改訂における犬のCKDステージ別クレアチニン・SDMAカットオフ(例:SDMA >18 μg/dL でステージ2として扱うなど)に関する最新の基準を参照し、「SDMAが高いと言われた時の再検査・経過観察」の推奨に反映しています。[3] -
Pedrinelli V. et al.
Nutritional and laboratory parameters affect the survival of dogs with chronic kidney disease
※腎臓病用療法食(リン・タンパク制限など)を摂取した犬では、維持食と比べて尿毒症クライシス発症までの期間および生存期間が延長した、というエビデンスとして「腎臓病の犬の療法食・栄養管理が予後を改善しうる」という記述を裏付けています。[4] -
ACVN / Today’s Veterinary Practice
Nutritional Management of Chronic Kidney Disease
※CKDにおけるリン・タンパク質・オメガ3脂肪酸など「腎臓病の犬の手作りご飯とリン制限」に関連する栄養学的要点、およびタンパク制限食が糸球体構造障害や生存期間に与える影響についての説明部分の根拠としています。[5] -
American College of Veterinary Internal Medicine (ACVIM)
ACVIM consensus statement: Guidelines for the identification, evaluation, and management of systemic hypertension in dogs and cats (2018)
※CKDに合併する高血圧の診断基準、血圧測定方法、リスク分類、降圧薬開始のタイミングなど、「腎臓病と高血圧管理」「ステージ4の余命と緩和ケア」における血圧コントロールに関する記述を支える根拠としています。[6] -
Lees G. et al. / ACVIM
2004 ACVIM Forum Consensus Statement: Assessment and Management of Proteinuria in Dogs and Cats
※持続性蛋白尿がCKD犬の予後不良因子であること、UPC値に基づくACE阻害薬などの治療開始基準など、「蛋白尿の評価と治療」「尿検査の重要性」を解説する部分の科学的根拠としています。[7] -
日本獣医腎泌尿器学会誌
Hypertension and proteinuria in dogs and cats with chronic kidney disease
※日本語圏の臨床現場に即したCKD犬の高血圧・蛋白尿管理に関する知見として、降圧療法が蛋白尿を軽減しうることや、その限界に関する解説を補強する目的で引用しています。[8]



